中核症状と周辺症状について
これまで認知症の中核症状(①記憶障害、②見当識障害、③実行機能障害、④失語、失算、失認、失行、について学んできました。
すべての人にあらわれる中核症状と、徘徊や妄想のように二次的に起こり、人によって現れ方が違う周辺症状があります。周辺症状=BPSD(行動・心理症状)について学びましょう!BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)
このBPSDは、本人の気持ちや環境が大きく作用します。症状を理解して適切なケアで、症状が落ち着くことも多くあります。症状別に対応の方法を紹介します。
①徘徊:ひとりで家をでてしまい、帰ってこれなくなる
⇒まず、なぜ外出したのか穏やかに尋ねどんな答えでも話を合わせて相槌をうち、興奮を鎮める。GPS機能つきの携帯電話をもたせ服や靴に名前や連絡先書く。 自治体の徘徊SOSネットワークに登録する。など。
②物盗られ妄想:「お財布をとった?と」疑いの目をむける。記憶障害が原因で起き場所を忘れたと認めたくない気持ちや不安感から被害妄想を生み出しがちになる。
⇒「困りましたね」と、気持ちに寄り添って探し物を一緒に探す。
③嫉妬妄想:「浮気をしてる?」と責め立てる。配偶者が外出しただけで浮気を疑い、激しく怒り出す。(不安・孤独から)
⇒さみしさが生む妄想なので否定したり怒ったりせず、やさしい態度で安心させる。
この他にもBPSDには様々な症状があります。今後も紹介していきます。